
20年以上同じ会社で働いていた私が、「転職しよう」と決意したのは、ある日突然でした。それまでにも小さな違和感や不満は積み重なっていましたが、最後の一押しとなる出来事があり、気づけば“動かずにはいられない状態”になっていました。
この記事では、
- 40代の人が転職を決意する典型的なきっかけ
- 私自身が20年勤めた会社を辞めた本当の理由
- 「決断の瞬間」にどんな心の動きがあったのか
を包み隠さずお伝えします。40代で転職を迷っている方にとって、必ずヒントになるはずです。
40代が「転職しよう」と決める5つのタイミング
転職を考え始める理由は人それぞれですが、40代に特有のきっかけがあるのも事実です。
まずは、多くの人に共通する代表的なタイミングを整理します。
1. 給与や待遇に限界を感じたとき
同年代との差、昇給ペースの遅さ、評価制度への不満──。
「努力が報われない」と感じると、環境を変えたい気持ちが強まります。
特に40代では、役職の有無によって給与テーブルが大きく変わるため、行き詰まりを感じやすくなります。
2. 自分の成長のビジョンが見えなくなったとき
仕事がルーティン化してきたり、新しい学びがなくなったりすると、
「この先、何が自分に残るのか?」という不安が湧いてきます。
キャリアへの物足りなさは、転職を考える大きなきっかけです。
3. 職場の人間関係や社風が合わなくなったとき
上司との相性、組織文化、ハラスメントなど、人間関係のストレスは軽視できません。
精神的負担が積み重なるほど、現状を変えたい気持ちは強くなります。
日々の精神的な負担が大きい場合は、健康や生活全体にも悪影響を与えるため、思い切って環境を変える選択も重要です。
4. ライフステージの変化
結婚・出産・育児・介護など、家庭の事情が変わることで働き方を見直すケースも多くあります。
働く場所・時間・柔軟性など、「生活に合う働き方」を求めるために転職する人も増えています。
▶40代転職では何を重視する?後悔しないためのポイント5選【年収?働き方?福利厚生?】
5. 他社からのオファーで自分の市場価値を知ったとき
ビズリーチのスカウトなどを通じて、今より高い条件の提案を受けた瞬間、
「もしかして、もっといい働き方ができるのでは?」
と自分の価値を再認識する方も多いです
「今の会社よりも良い条件」「求められている実感」が、転職への大きな後押しになることがあります。
▶【実体験】44歳で初めての転職活動で一番お世話になったビズリーチの登録から活用までを詳しく解説!
私が40代で転職を決意した“3つの決定打”
ここからは、私自身の体験談です。
20年以上勤めた会社から離れる決断をした理由は、一つではありませんでした。
いくつかの出来事が重なり、「今動かないと後悔する」と確信する瞬間が訪れたのです。
1.5年前に受けた“1社だけの転職”が胸に残っていた
実は私は2024年に転職活動を行う5年前に1社だけ受けたことがあります。それはたまたまある方から一度受けてみないかと紹介をいただきました。その会社が同業他社ではあったのですが、当時の会社よりもはるかに高い給与水準で私の心は一気に持っていかれました。
ただ紹介だったこともあり、油断して面接対策を怠ってしまい、結果は不採用。
しかしこの経験が、私の心に火をつけました。
「転職という選択肢があるんだ」
そう意識し始めたのは、このときでした。
コロナもあり、しばらく動くことはできませんでしたが、
“いつか転職したい”という気持ちは、5年間ずっと心の底でくすぶり続けていました。
2.会社方針の大転換──自分の価値が下がる未来が見えた
私は15年以上、専門商材の営業として働き、提案型の営業スタイルにやりがいを感じていました。
しかし、あるタイミングで会社が経営方針を大きく転換。
それまで主軸だった商材ではなく、新しい商材にリソースを集中させる方針に変わったのです。
私の扱ってきた商材がなくなるわけではありませんでしたが、
明らかにリソースが削られ、今後注力される見込みは薄い。
部署の平均年齢も高く、若手投入の気配もない。
「このままここにいても、自分の価値は上がらない」
そんな現実を突きつけられた気がしました
私自身は出世そのものには大きな興味はなく、出来れば営業の現場で顧客と
関わり続けたかったのですが、40代ともなると一般的には役職がついていないと
昇給には限界が訪れます。現場職としてはほぼ上限に近い給与をいただいていましたが、
それ以上を望むなら今とは別の会社を探す必要が生じました。
3.人事異動の発表──“立つ場所がなくなる”危機感
そして決定打になったのが、ある年の人事異動です。
登用されたのは、実力よりも“トップのイエスマン”と呼ばれる若手ばかり。
もちろん若手登用には賛成ですが、
「もっと適任の人がいるはずなのに」という不信感がどうしても拭えませんでした。
その瞬間、
不満 → 不安 → 危機感
へと感情が変化していきました。
「このままだと、自分の居場所さえ失うかもしれない」
そう直感した私は、ついに決断しました。
「自分の価値が一番高いうちに動こう」
もちろん実際には10年前にもっと価値の高い瞬間はあったと思いますが、少なくとも今の会社で今後自分の価値が上昇することはなく、今が一番自分の価値が高いと判断。ならば、今動くしかない、そう思った私は動き出しました。
転職活動で気づいた“自分の価値”
転職エージェントとの面談や職務経歴書の作成を通じて、
私は初めて自分の経験を客観的に見つめ直しました。
・20年以上の営業経験
・業界知識
・提案力
・長期的な顧客関係構築
これらは、他社にとって間違いなく「即戦力」でした。
最終的に1社から内定をいただきましたが、迷いはありませんでした。
あのとき動き出したことは、間違いなく正しい選択だったと思っています。
まとめ:転職の決断は、ある日ふとやってくる
転職には不安もあります。
しかし、「このままでいいのか?」という違和感を抱えたまま働き続けることも、また一つのリスクです。
私自身、一歩踏み出したことで、新しい視点で仕事に向き合えるようになりました。
もし今、あなたが少しでも迷っているなら──
その気持ちはきっと、未来へ続く大切なサインです。
まずは情報を集めるだけでも構いません。
誰かに話を聞かせるだけでも、選択肢は広がります。

