
40代で営業職の転職を考えると、
「これまでの経験は本当に評価されるのか?」
「自分にはどんな営業スタイルが合っているのか?」
「キャリアの方向性が見えない…」
といった不安を抱える方が多くいます。
特に営業職は企業ごとにスタイルも求める人物像も大きく異なるため、
“自分の強み・経験・価値観”を言語化しないまま応募すると、
「思っていた仕事と違った」「成果が出しにくい」
というギャップが生まれやすい職種です。
そこで重要になるのが、
「棚卸し(自己分析)」と「キャリア設計」。
この記事では、20年以上営業として働き、40代で転職を経験した私自身の体験も交えながら、
営業職の転職を成功させるための手順をわかりやすく解説します。
1|40代営業職の転職で“棚卸し”が重要な理由
営業職と一口に言っても、実際には次のように種類が多岐にわたります。
- BtoB(法人営業)/BtoC(個人営業)
- 新規開拓営業/ルート営業
- インサイドセールス(内勤)/フィールドセールス(訪問)
- 有形商材/無形商材
例えば、無形商材の法人営業で長く成果を出してきた人が、
「営業ならできるだろう」と思って個人向けの新規訪問販売に転職すると、
働き方も評価軸もまったく違うためギャップが生まれます。
40代の転職は“即戦力採用”が前提です。
だからこそ、自分が「何が得意で、どこで成果を出しやすいのか」を正しく把握する必要があります。
棚卸しは、「ミスマッチを防ぎ、書類通過率と面接の説得力を一気に高める作業」なのです。
自分の強みを具体的に数値化した上で言語化することが重要
2|営業職における棚卸しの進め方
棚卸しは次の3つの視点で整理するとスムーズです。
1. 営業経験の棚卸し:何を売って、どう成果を出してきたか?
以下の棚卸しの基本テンプレートをご参考ください。
【誰に】(BtoBの◯◯業界/BtoCの個人向け etc)
【何を】(商材の種類、価格帯、有形/無形)
【どのくらい】(担当件数、売上規模、契約期間など)
【どう売ったか】(新規/既存、提案プロセス、課題解決方法)
【成果】(売上実績、達成率、継続率など)
【期間】(いつ・どれくらい経験したか)
▼ 例文(そのまま使える形)
例)「製造業向けBtoB営業として、既存顧客の深耕を中心に年間2億円を担当。継続率90%を維持しつつ、追加受注により前年比115%を達成。」
▼ “期間”は非常に重要
実は40代の場合、「どれだけ長く、どのスタイルで成果を出してきたか」が評価されます。
私自身、最初の会社で20年間働いた中で、
- BtoC営業
- BtoB営業
- 新規開拓
- 既存深耕
- 有形商材
- 無形商材
すべてを経験してきました。
ただし、20年分を職務経歴書に落とし込む作業は想像以上に大変です。
「いつ・どこで・何を売っていたか」「成果はどうだったか」
を時系列で整理するだけでも、書ける情報量が一気に増えます。
「誰に」「何を」「どれぐらいの量」「どれぐらいの期間」販売し、「どういう成果」を上げて来たのかをまとめてみましょう
2. スキルの棚卸し:どんな営業力を持っているか?
実績だけでなく、スキルも整理しましょう。
- ヒアリング力
- 課題抽出力
- クロージング力
- 関係構築力
- プレゼン・資料作成
- 社内調整力
- SalesforceなどCRMツールの活用
- オンライン商談の経験
40代は若手より“再現性のあるスキル”が求められます。
スキルの棚卸しを行うことで、あなたの強みがより明確になります。
3. 価値観の棚卸し:どんな働き方が自分に合っているか?
以下のような質問を通じて、自分の「営業スタイルの好み」や「転職後の理想像」を明確にしましょう。
- 売上よりも顧客満足度を重視したい?
- 新規開拓が得意?ルート営業の方が得意?
- 年収アップを最優先?ワークライフバランス?
40代では、仕事や働き方の優先順位が変わりやすい時期です。
以下の質問に答えてみてください。
価値観の棚卸しを行うことで、
求人選びの基準ブレを防ぎ、転職成功率が上がります。
3|40代営業職のためのキャリア設計の考え方
キャリア設計は次の「Will・Can・Need」で考えると整理しやすくなります。
◆ Will(やりたいこと)
- どんな商材に挑戦したいか
- どんな営業スタイルが理想か
- 今後10年、どう働いていたいか
◆ Can(できること)
棚卸しで明らかになった、自分のスキル・経験・強み。
40代ではCanの明確さが採用の決め手になります。
◆ Need(市場のニーズ)
企業がどんな営業人材を求めているか。
- 提案営業ができる人材
- マネジメント経験者
- ソリューション営業の経験
- テック系の無形商材が売れる人材
WillとCanが一致しても、Needがなければ採用にはつながりません。
▼ 3つの重なるポイント=転職の最適解
Will × Can × Need の重なる場所が、
あなたが最も成果を出しやすく、企業から求められる領域です。
▶営業職とは?仕事内容・役割・1日の流れまでわかる完全ガイド
▶40代が失敗しない営業職の選び方|未経験でも始めやすい職種と向いてる人の特徴を解説
4|棚卸し・キャリア設計をどう転職活動に活かすか?
① 職務経歴書に“数字”と“ストーリー”で落とし込む
棚卸しした内容をもとに、以下の構成で書くと効果的です。
- 経験した営業スタイル(BtoB/BtoC、新規/既存)
- 商材内容と価格帯
- 提案・営業プロセス
- 売上・達成率などの数字
- どのような工夫で成果を出したか
▼ 例文
「通信業界向け法人営業として、月平均150万円の新規売上を3年連続達成。顧客課題のヒアリングから提案・契約・アフターフォローまでを一貫して担当。」
② 面接の回答に一貫性と説得力が生まれる
棚卸しを行うことで、
- なぜ営業職を続けたいのか
- どんな営業が自分に合っているのか
- 今後どんなキャリアを目指すのか
を自分の言葉で語れるようになります。
これは40代面接では非常に強い武器です。
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▶【40代転職の面接対策】必ず聞かれる3つの質問と回答テンプレート
③ 求人選びに迷わなくなる
棚卸し × キャリア設計 により、
- 「なんとなく応募」
- 「受けてみたら全然違う仕事だった」
という失敗がなくなります。
自分に合った求人だけに応募できるため、
転職活動の効率が大幅に上がります。
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5|まとめ:40代営業職の転職成功のカギは“自己理解”にある
営業経験者であっても、企業によって営業スタイルや評価基準はまったく異なります。
だからこそ、転職前に以下の3つを明確にすることが重要です。
- どんな営業スタイルで成果を出してきたか?
- どんな営業が自分に合っているか?
- 今後どんなキャリアを築きたいか?
この3点を整理することで、
転職活動を戦略的に進めることができます。
棚卸しとキャリア設計は、
40代営業職としての“未来をつくる最初の一歩”です。

