
「40代・未経験でも営業職ってできるの?」
「営業職って種類が多すぎて、どれを選べばいいかわからない」
「自分に合う営業スタイルを知りたい」
営業職への転職を考える40代から、よく聞く悩みです。
私は20年以上、BtoB営業を中心に、有形・無形の商材、新規開拓からルート営業まで幅広く経験してきました。その中で強く感じるのは、営業職は同じ「営業」という名前でも、仕事内容がまったく違う別の職業と言っていいほど大きく差があるということです。
この記事では、営業職を
①誰に売るか(BtoB/BtoC)
②どう売るか(営業スタイル)
③何を売るか(有形/無形)
の3つの軸で整理し、それぞれの特徴・難易度・向いている人の傾向をまとめています。
40代・未経験の方でも「自分はどの営業が合っているのか?」が理解できる内容になっていますので、ぜひ転職活動の参考にしてみてください。
営業職は「誰に・どう売る・何を売る」でまったく別の仕事になる
営業職をイメージする際、まず押さえたいのが次の3つの分類軸です。
- 誰に売るか(BtoB/BtoC)
- どんなスタイルで売るか(営業スタイル)
- 何を売るか(有形/無形)
この3つが変わるだけで、求められる能力も、仕事の進め方も、日々会話する相手も大きく変わります。
まずは「誰に売るか」という観点から見ていきましょう。
BtoBとBtoCの違いと向いている人
BtoB(法人営業)
企業や団体など「法人」を相手にする営業です。
特徴
- 論理的な説明が求められる
- 営業サイクルは長め
- 関係構築が重要
- 単価が大きく、安定しやすい
向いている人
- ロジカルに考えるのが好き
- 一つ一つ丁寧に進めたい
- 長期的な関係づくりが得意
具体例:メーカー営業・ITシステム営業・人材営業 など
BtoC(個人営業)
個人のお客様を相手にする営業です。
特徴
- 会話のテンポが早い
- 感情理解やコミュニケーション力が重視
- 来店対応(反響型)が多い
- 「人柄」が売上に直結しやすい
向いている人
- 人と話すのが好き
- 明るく接客ができる
- お客様の気持ちに寄り添える
具体例:車のディーラー、保険営業、不動産営業 など
40代にとってはどちらが向いている?
結論としては、BtoBの方が働きやすいケースが多いです。
理由は以下の通りです。
- 個人相手の営業は感情的要素が強く、相手を選べない
- BtoCは新規客が中心で「断られる回数」が多い
- BtoBは経験・落ち着き・信頼感が評価されやすい
もちろん職種によりますが、
40代=BtoB優位 の傾向はほぼ間違いありません。
営業スタイル(売り方)の種類と向いている人
営業スタイルは大きく5つに分かれます。
【1】ルート営業(既存顧客担当)
既に取引のあるお客様を定期的に訪問し、商品提案や関係維持を行う仕事です。
特徴
- 断られることが少ない
- コミュニケーションが中心
- 安心して始めやすい
40代・未経験でも入りやすい? → ◎
業界によりけりですが、最もハードルが低い営業スタイルです。
【2】新規開拓営業(テレアポ・飛び込み含む)
まだ取引のない顧客にアプローチする営業。
特徴
- 断られることが圧倒的に多い
- 数をこなす必要がある
- メンタルと継続力が大きく問われる
40代・未経験 → △
できるかどうかではなく、精神的にきつい可能性が高いです。
【3】インサイドセールス(非対面営業)
電話・メール・オンライン商談が中心です。
特徴
- 外出がない
- 商談数を増やしやすい
- 声・メール文章力が重要
40代・未経験 → △〜✕
SaaS業界などは「20代・30代歓迎」が圧倒的に多く、40代未経験は書類が通りにくい。
【4】カウンター営業(来店対応/反響型)
不動産ショップや車の販売店、保険カウンターなど。
特徴
- 飛び込み営業なし
- 来店したお客様に接客
- 接客業に近い
40代・未経験 → ○
未経験歓迎の求人も多く、内向的でなければ十分可能。
【5】ソリューション営業(課題解決型)
顧客の課題を分析し、解決策を提案する営業。コンサル的な仕事。
特徴
- 課題発見力が必要
- ヒアリング力が重要
- 無形商材でよく見られる
40代・未経験 → △
入るのはやや難しいが、一度経験を積むと市場価値は高い。
商材の違い:有形商材と無形商材
次に「売るモノ」で分類します。
有形商材(食品・飲料・車・設備など)
手に取れる「形のある商品」。
特徴
- 説明しやすい
- お客様の理解が早い
- 未経験でも入りやすい
40代未経験 → ◎最も入りやすい。
例:
- 食品・飲料・文具・日用品(ルート営業)
- 自動車販売(カウンター営業)
- 製造業向けの機械設備(BtoB新規/ルート)
無形商材(保険・人材・広告・SaaSなど)
形がないサービスや概念を売る営業です。説明力や信頼性、課題解決力が求められます。
特徴
- 説明力が必要
- 顧客の課題理解が必須
- 難易度は高め
40代未経験 → △
ただし、経験を積めば一気に市場価値が上がるジャンル。
例:
- 保険商品(BtoCカウンター/ソリューション)
- 人材派遣・紹介サービス(BtoBソリューション)
- SaaS/クラウドサービス(BtoBインサイド/ソリューション)
組み合わせでわかる「営業職のイメージ」
| 分類 | 商材 | 営業スタイル | 具体例 |
|---|---|---|---|
| BtoB × 有形 | 製品・設備 | ルート、新規 | 食品ルート営業、工場向け機械 |
| BtoB × 無形 | SaaS、人材 | インサイド、ソリューション | クラウド提案、人材紹介 |
| BtoC × 有形 | 自動車、家電、不動産 | カウンター、新規 | カーディーラー、家電量販店 |
| BtoC × 無形 | 保険、金融、通信 | カウンター、ソリューション | 保険営業、通信サービス |
40代・未経験に本当におすすめできる営業職
20年以上営業職をしてきた私の結論はこれです。
◎【最も入りやすい】BtoB × ルート営業 × 有形商材
理由は以下の通り。
特に「食品・飲料・日用品」のルート営業は比較的入りやすく、40代でも採用例があります。
○ BtoC × カウンター営業 × 有形商材
自動車販売、家電量販店、不動産など。
- 説明しやすい
- 来店型で飛び込みなし
- 未経験歓迎も多い
接客業が苦でなければ選択肢として十分アリ。
△ BtoB × 対面型 × 無形商材
見習いから入れる会社ならチャンスあり。
ただし、SaaS業界のような伸びている業界は
40代未経験だと門が狭いのが現実。
私は50社ほど応募して、無形商材の企業で面接に至ったのは2社でした。
キャリア志向の人が選ぶべき営業職
「収入・市場価値を上げたい」
「将来性のあるスキルを身に付けたい」
そんな方は、以下のような営業がおすすめです。
BtoB × ソリューション × 無形商材
例)ITシステム、人材紹介、広告、コンサル営業
- 課題解決型でスキルが伸びる
- 市場価値が上がりやすい
- 収入も高い傾向
ただし 40代未経験でいきなり挑むのは難易度高め。
キャリアを積む前提なら強い選択肢です。
BtoBとBtoC、どちらが自分に合っているか?
簡単に傾向をまとめます。
BtoB向きのタイプ
- 論理的に話せる
- 関係構築を丁寧にしたい
- コツコツ型
- 落ち着いた環境が好き
BtoC向きのタイプ
- 話すのが好き
- 明るく接客できる
- 感情に寄り添える
- スピード感のある仕事が好き
実例:BtoBでもBtoCに近い場合がある
たとえば、私が経験したBtoBの一部業務では
個人店(ワンオペの店主)が顧客の中心 だったため、
感情理解が重視され、BtoCに非常に近い感覚でした。
このように 担当する顧客層によってもスタイルは大きく変わる ため、求人を見るときには
「顧客は誰か?」を必ず確認するのがおすすめです。
まとめ:40代は“売る相手・売り方・商材”で最適な営業職を選ぼう
営業職は、
誰に(BtoB/BtoC)
どう売るか(スタイル)
何を売るか(有形/無形)
によってまったく違う仕事になります。
40代から営業に挑戦する場合、
おすすめは以下のとおり。
【40代未経験におすすめ順】
- BtoB × ルート × 有形(一番入りやすい)
- BtoC × カウンター × 有形(接客に抵抗がなければ)
- BtoB × 対面型 × 無形(やや難しいが伸びる)
転職活動では
「商材」よりも
「営業スタイル」「顧客の種類」が
実は働きやすさに直結します。
自分の性格・得意なこと・働き方の希望を整理し、
ぜひベストな営業スタイルを選んでみてください。
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