
40代の転職は「過去の実績とキャリアの一貫性をどう活かすか」で勝敗が分かれます。特に営業職では、企業が重視するのは「成果」と同時に、キャリアの一貫性=成長の軸が明確であることです。
本記事では、40代営業職の転職先の王道である同業他社(営業→営業)/異業種営業(顧客同一)/同業種異職種(営業→他職種)の3パターンを、成功・失敗の実体験風ストーリーで解説します。
読み終える頃には、自分がどのルートで戦うべきかが明確になり、「次の一手」に踏み出せるはずです。
まずは5つの判断軸(経験活用/リスク/キャッチアップ/年収見通し/将来性)で整理し、あなたに合う必勝ルートを見極めましょう。
なぜ“同業・異業・同業異職種”の3パターンを意識するのか
40代の転職では、20代・30代のように「ポテンシャル」よりも「即戦力」が重視されます。
特に営業職は成果が数字で見える職種であるため、企業は「入社後すぐに戦力化できるか」を最も気にします。
そこで重要になるのが、自分の経験をどう活かせるかを軸にした3つの転職パターンです。
それが「同業他社(営業→営業)」「異業種営業(顧客が同じ)」「同業種異職種(営業→他職種)」の3ルートです。
この3つの方向性を理解することで、無駄な応募を減らし、自分が最も成果を出しやすい企業に的を絞ることができます。
5つの視点で転職パターンを比較する
どのルートを選ぶかを判断する際は、以下の5つの視点で整理してみてください。
- ① 経験・実績の活かしやすさ
- ② リスクとチャレンジ度
- ③ 新しい環境へのキャッチアップ力
- ④ 年収・待遇アップの可能性
- ⑤ キャリアの継続性と将来性
それでは、実際に3つのパターンごとに成功・失敗事例を交えて見ていきましょう。
転職パターン別“必勝アプローチ”
① 同業他社(営業 → 営業)
同業であれば商品・サービス・顧客層の理解がすでにあり、即戦力として評価されやすいのが特徴です。また、これまでの職務内容と業界知識が直線的につながるため、キャリアの一貫性を保ちながら年収アップを狙える点も魅力です。
成功事例:
食品メーカーの法人営業を20年続けていたAさん(45歳)は、ライバル企業に転職。
「前職で取引していた卸業者をそのまま引き継げる」という強みをアピールし、年収は80万円アップ。
面接では「競合の動きを最前線で見てきた」と語り、採用担当者から「自社の弱点を補える人材」と評価されました。
転職後は即戦力として新規開拓にも成功し、半年後にリーダー昇格を果たしました。
失敗事例:
同じく同業他社に転職したBさん(42歳)は、前職と同じような営業スタイルを貫いた結果、新しい会社の文化になじめず苦戦。
「同じ業界でも企業文化が違う」ことを軽視し、上司との衝突が続き、1年で再転職する結果に。
同業他社でも“慣れ”は禁物。事前に社風や営業手法の違いをリサーチしておくことが重要です。
ポイント:
② 異業種営業(顧客層は同じ)
「業界を変えて新しい挑戦をしたい」「今の業界に将来性を感じない」──そんな40代におすすめなのがこのルートです。顧客層が同じであれば、異業種でも営業スキルを応用でき、即戦力として評価されやすいのが特徴です。
異業種の商材知識を事前に調べ、ギャップを埋める姿勢を見せる。
面接では「顧客層」「課題理解」「提案スタイル」といった共通要素を軸に、キャリアの一貫性を保ちながら業界をまたげる理由を伝えると効果的です。
成功事例:
飲料メーカーの営業職だったCさん(46歳)は、取引先である飲食業界向けITサービス企業へ転職。
「飲食店の課題を現場で見てきた」というリアルな経験が評価され、IT業界未経験ながら採用。
入社後も飲食店オーナーとの関係構築力を活かし、半年でトップセールスに。
「顧客が同じ」であることが大きな武器となった好例です。
失敗事例:
同じく異業種営業に挑戦したDさん(44歳)は、住宅設備業界から金融業界へ転職。
顧客層が全く異なり、専門用語や提案の進め方を理解するのに時間がかかり、成果を出す前にモチベーションを失ってしまいました。
異業種転職では「顧客層が共通しているかどうか」が最も重要な成功要因となります。
ポイント:
③ 同業種・異職種(営業 → 他部門)
「営業を長くやってきたけど、そろそろ違う仕事もしてみたい」──そんな方に向いているのがこのルート。同業種であれば、商品知識や業界理解を活かしながら、企画・マーケティング・顧客サポートなどへキャリアチェンジできます。
同業内での異職種チャレンジは、社風や業界理解を活かせる点で成功確率を高められます。
特に「営業→営業企画」「営業→マーケティング」などは、キャリアの一貫性を保ちつつ職域を広げられる理想的なルートです。
成功事例:
建材メーカーで営業を15年していたEさん(43歳)は、営業企画職へ社外転職。
「現場の営業目線で販売戦略を立てられる」という点が評価され、採用に成功。
入社後は現場出身の強みを活かして営業資料や提案書の改善に貢献し、社内で高評価を得ています。
「営業経験 × 分析力」でキャリアを広げた好例です。
失敗事例:
一方で、Fさん(45歳)は営業からマーケティング職に転職。
ところが、数字管理やデータ分析などのスキル不足が響き、成果を出せず半年で退職。
同業でも異職種への転職では、「必要スキルを事前にどれだけ補えるか」が成功を左右します。
ポイント:
まとめ:あなたに合う“必勝パターン”を見極めよう
40代の転職に「正解」はありません。
重要なのは、自分の経験を最も評価してくれる環境を見極めることです。
以下の早見表を参考に、自分に合うパターンを整理してみましょう。
| タイプ | おすすめルート |
|---|---|
| 実績・営業力を最大限活かしたい | 同業他社(営業→営業) |
| 顧客理解を武器に新しい業界へ挑戦したい | 異業種営業(顧客層が同じ) |
| 営業経験を土台にキャリアチェンジしたい | 同業種異職種(営業→他職種) |
自分の強みを正確に把握し、それを最も活かせる環境を選ぶことが、40代転職の必勝法です。
そして忘れてはいけないのが、キャリアの一貫性をどう描くか。転職後のポジションも、過去の経験の延長線上にあると伝えられれば、採用担当者の信頼度は格段に上がります。
40代の転職は「過去を活かし、未来を選ぶ」ステージです。
焦らず、自分の強みを整理し、最適なルートを選びましょう。
小さな一歩が、大きなキャリアの転機になるかもしれません。

