営業職の残業は多い?少ない?業界別データと実体験でリアル解説

転職活動にかかる期間は? 営業職について

ラフ
ラフ

結論から言うと、営業職の残業時間は平均で月20時間前後。
「営業=激務」というイメージほど極端ではありません。

ただし、

  • 業界
  • 営業スタイル(法人/個人、新規/ルート)
  • みなし残業の有無

によって、実態は大きく変わります。
この記事では、40代で転職を経験した営業職の実体験と公的データをもとに、
営業職の残業時間のリアルをわかりやすく解説します。

営業職における残業とは?(定義と発生しやすい理由)

残業の定義と基本

一般的に、

  • 所定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える労働
  • 会社の就業規則で定めた時間を超える勤務

は「残業」として扱われ、割増賃金の対象になります。

営業職の場合、外出が多いため残業が見えにくい一方、実質的な業務時間は長くなりやすい傾向があります。

営業の残業が発生しやすい理由

営業職の残業が増えやすい主な要因は次のとおりです。

  • 顧客都合の商談時間
     夕方以降の打ち合わせ、急な対応、クレーム処理など
  • 移動+帰社後の内勤業務
     訪問後の日報、提案書、見積、メール対応
  • 繁忙期の集中
     月末・四半期末・決算期に業務が一気に増える

特に40代になると、担当顧客が増え、社内調整役も任されやすくなるため、若手時代とは違った残業の増え方をします。

「みなし残業(固定残業)」の基本と注意点

営業職の求人でよく見かけるのが「みなし残業(固定残業)」です。

確認すべきポイントは以下の3点です。

  • 何時間分の残業が含まれているか
  • みなし時間を超えた場合、超過分は支給されるか
  • 基本給と固定残業代の内訳が明示されているか

この3点が曖昧な会社は、入社後のトラブルにつながりやすいため注意が必要です。


最新データで見る営業職の残業時間の相場

全体平均の目安

近年の調査では、ビジネスパーソン全体の平均残業時間は月21時間前後と言われています。
実際には「0〜5時間未満」が最も多いというデータもあり、長時間残業をしていない人も増えています。

ただし、職種や業界による差は大きく、営業職は平均よりやや多めになる傾向があります。

筆者(40代営業職)の実体験

私自身の残業時間は次のとおりです。

  • 前職:100%残業申請で20〜30時間/月
  • 現職:固定残業約45時間込みの給与設計、実残業20〜25時間/月

この数字を見ると、営業職としては平均〜やや上程度
極端に多いわけではありませんが、繁忙期には残業が増えることもありました。

なお、前職では部署によっては月100時間近い残業が当たり前の時期もあり、
当時は体力的・精神的にかなり追い込まれた経験もあります。

同じ会社でも部署や上司によって、残業の実態は大きく変わる点は注意が必要です。

(参照)doda「平均残業時間の実態調査

固定残業と実残業のギャップに注意

固定残業時間と実際の残業時間に大きな乖離がある場合、
未払い残業や評価制度とのズレが問題になりがちです。

  • 実残業はきちんと記録されているか
  • 超過分は必ず支払われるか

この2点は、転職前に必ず確認しましょう。


営業職×業界別の残業時間目安

同じ「営業」でも、商材・客層・営業形態(個人/法人、ルート/新規、対面/インサイド)で残業は大きく変動します。以下は近年の公開情報をもとにした目安です。社風や業務設計で上下しますので参考値としてご覧ください。

業界×営業月間残業の目安(時間)
IT営業約25
電気/機械メーカーの営業約24
食品・消費財メーカーの営業約18
化学/素材メーカーの営業約16
医療機器メーカーの営業約25
金融業界の法人営業約28
金融業界の個人営業約17
総合商社の営業約29
専門商社の営業約31
不動産/建設営業約23
広告営業約30
人材サービスの営業約27
旅行関連の営業約21
小売/外食の営業約22

繁忙期や営業スタイルによって前後するため、参考値として捉えてください。

出典:doda「平均残業時間の実態調査」および各職種図鑑ページ

表の読み方と注意

  • 繁忙期(商戦期・決算・新製品ローンチ)で増加しやすい。
  • ルート vs 新規、個人 vs 法人で傾向が異なる。
  • 移動時間の長さや内勤比率、SFA/CRM活用の度合いで実残業は上下。

転職活動時に必ず確認したい残業のポイント

転職活動では、以下の点を必ず確認することをおすすめします。

  1. 固定残業代の内訳:何時間分・いくらが明示されているか。
  2. 超過分の扱い:超過時の支払い/調整の有無と運用実態。
  3. 基本給との区分:求人票・契約書で明確か。
  4. 勤怠システム:実残業を正確に記録・申請できるか。

私の場合現職は45時間の残業で特定の金額の残業代が記載されています。超過分に関しても45時間を超えた分に関して、決まった金額の残業代が支払われるという形になっています。

④の勤怠システムに関しては会社によって異なりますが、私の場合は営業の出先でスマホから打刻が出来るような仕組みがあり、直帰する場合もちゃんと正確に記録ができるようになっています。ちなみにこの仕組みは前職の時も同様の仕組みが入っていたので残業に関しては正確なものが出せていたと思います。(たまに打刻漏れがあり、その場合は後日上長へ報告していました)

面接を受けられる会社に対して、①~④に関しては明確にしておけばある程度不安はなくなると思います。

ただ、一般的には残業代はみなし残業でなく、別途支給で1分から申請できる会社がホワイトとされています。20時間程度のみなし残業であれば、営業職としては十分にあることなのでみなし残業でも良いと思いますが、40時間をみなし残業で出す会社は、実際にはそれ以上の残業が見込みまれるケースがあり、その点は確認が必要となります。私も転職活動中に60時間のみなし残業という求人を見かけました。

筆者の前職と現職の残業時間に関して

実は私の場合、前職は以前は35時間のみなし残業代があったのですが、退職する数年前に残業代は別途支給1分からと待遇が変わりました。本来なら喜ばしいことなのですが、20年近く勤めた会社なので営業以外の処理に関しては、かなり早かったこともあり、残業自体がかなり減ってしまいました。それに伴い残業代が減ってしまい、結果的に給与が下がってしまいました。

みなし残業がなくなった時点で、その分の基本給が上がれば全く問題なかったのですが、基本給はそのままに残業が1分からの申請に仕組みが変わったため手取りが減ってしまうというのは私としては本末転倒。そういう理由で現在の45時間みなし残業を受け入れました。結果として収入も上がったのでこれはこれでよかったと思っています。

  • 営業職の場合、みなし残業がついているケースが多い
  • みなし残業以上の残業が発生するケースもあるので要注意
  • 逆に100%残業を申請する会社の場合は基本給に着目、現職より減らないか要確認

みなし残業の会社で働く際に残業をどう減らすか

私が実践している工夫は次のとおりです。

  • 移動・待機時間の内勤化:モバイルでメール/営業先の商談結果報告
  • 締め日前倒し運用:締めのある作業の前倒し/提案書等をアポイント1週間前に作成
  • 業務の可視化:週次で時間を食うタスクを棚卸し、ムダの削減
  • SFA/CRMの型化:入力テンプレ・自動レポートでナレッジを循環

特に40代になると、時間の使い方=成果になります。
「何となく忙しい」状態をなくすことが、残業削減につながります。

①に関しては、コロナ禍以降は割と整ってきているのではないでしょうか。モバイルの活用ができるかどうかは、残業を減らすだけでなく、業務効率化という面で非常に重要な役割を持ちます。会社携帯を貸与されるかどうかも大事なポイントになってきます。

②営業職は月の中で様々な業務を行いますが、日々、目の前にあることに追われると見えなくなってしまいますが、1か月全体で眺めてみると例えば、毎月中ごろに特定の先様と商談予定が入る、月末に提出する書類がある、など月の中で決まった時期に決まった処理ごとがあるケースが非常に多いです。それらを前倒しするなどで全体の流れを前倒ししていくことは非常に重要になってきます。

そのためにも③の業務の可視化は重要な作業となります。私の場合は、顧客訪問に際して

  • 訪問目的の明確化
  • アポイントを取る
  • 商談資料の作成
  • 実際に訪問
  • 日報での報告、また商談の内容により上長へ相談等

このようにタスクを細分化することで日々のスケジュールを可能な限り最大化していくことを心がけています。これによりどの時間帯にどの作業をするかスケジューリングしていき残業時間を出来るだけ減らす工夫をしています。


まとめ

  • 全体平均は約21時間/月が目安。営業は業界により15〜30時間前後に分散。
  • 筆者の実績:20〜25時間/月は中位圏。固定45時間契約とのギャップ管理が重要。
  • 転職時はみなし時間・超過払い・繁忙期の実態を具体的に確認しよう。
  • 40代営業職は、制度と実態の両方を見て判断すべき

営業職である以上、ある程度の残業は避けられません。
そのうえで、自分のライフスタイルに合った働き方ができる会社を選ぶことが、40代の転職では何より大切です。


よくある質問(FAQ)

Q:固定残業45時間込みの求人は避けるべき?
A:一概にNGではありません。
 何時間・いくらの明示、超過分の支払い実残業レンジが合っていれば選択肢になり得ます。

Q:残業が少ない営業は?
A:消費財/食品、化学・素材の一部は比較的低めの傾向。
 ただし商戦期や販促の繁忙で増える場合があります。

Q:営業職で残業20時間は多い?少ない?
A:決して多くはないです。平均で一日一時間程度なので効率よく仕事が出来れば十分定時で終了することも可能です。

Q:40代で残業30時間超は転職的にどう?
A:業界によっては、30時間を超えると多いと感じると思います。
 40代で体力的にも20代の時と同じとはいかない年齢。
 もちろんブラックということはないですが、30時間超えが普通ならば体力との相談になります。

✅「残業や働き方が気になる方はこちらも参考になります」