
「40代 初めての転職は遅いのでは?」そんな不安を抱えつつも、私は44歳で20年以上勤めた会社から一歩を踏み出し、同業他社の営業職へ移りました。結論から言えば、内定まで約半年。年収は約30万円の微増でしたが、キャリアを前に進める実感は何物にも代えがたいものでした。この記事では、私が実際に行ったステップを数字・コツ・失敗も含めて余さず公開します。
※本文はすべて実体験に基づく記録です。
- 全体像:半年で内定に至るまでのタイムライン
- 履歴書・職務経歴書・証明写真を最初に準備
- ビズリーチに登録:40代に“即戦力市場”を開く
- 複数の転職エージェントを“戦略的”に併用する
- 求人選定:数百件を見続けて見えてくる“癖”
- 応募のリアル:通過率は“10%前後”という現実
- ヘッドハンター活用:非公開求人と対策の質
- 面接対策:質問想定と“答えの作り方”
- 並行進行のマネジメント:営業職の腕の見せどころ
- 適性検査(SPI・Webテストなど)の備え
- 結果と内省:数字の裏にあるもの
- メール洪水という“唯一のデメリット”とどう向き合うか
- 40代での初めての転職を成功させる7つの戦術
- よくある質問(Q&A)
- まとめ|40代でも初めての転職は十分に「間に合う」
全体像:半年で内定に至るまでのタイムライン
- 開始時期:2023年12月に本格始動
- 方針:同業界 × 営業職継続(即戦力前提)
- 期間:登録・書類作成→面談→応募→面接→内定まで約6か月
- 年収:約+30万円(約580万円→約610万円)
身も蓋もない話ですが、40代は「確率と母数」のゲームでもあります。
この後述べる通り、
応募50→一次面接5→二次面接2→内定1
これが私の実体験での数値です。
履歴書・職務経歴書・証明写真を最初に準備
最初の着手は書類面。今はほぼデジタル提出が前提なので、Word/PDFで整えます。私はフォーマットを活用しつつ、職務経歴書では次の3点を徹底しました。
- 時系列+要約:20年分を年代ごとに棚卸しし、直近は詳しく。
- 数字で語る:売上増減率、担当社数、案件規模など。
- 工夫と再現性:「なぜできたか」「再現できるか」をセットで記述。
特に3の「再現性」は重要で、採用企業側からすると貴方の持っている経験や知識などが、実際にその企業に貢献してくれるかが重要なのです。ここは意識して書くようにしましょう。
写真はスピード写真を使用。ただ、管理職志望や役職を狙うならスタジオでの撮影を推奨します。第一印象が評価の土台を作ります。この書類一式は各サイト登録で使い回すため、最初に時間を投資するのが効率的です。
この後の転職サイト等への登録に必要になるため、履歴書と職務経歴書・写真は最初に準備しよう!
ビズリーチに登録:40代に“即戦力市場”を開く
まず登録したのが「すごいな!ビズリーチ!」でお馴染みのビズリーチ。40代の転職は即戦力採用が主戦場。ここでは職務経歴の入力品質=スカウト数と言ってよく、私は約3,000文字かけて詳細に記載しました。
- 反応:最初の1週間で7件。その後じわじわと増え、最終的に21件のコンタクト。
- 姿勢:条件不一致は丁寧に辞退、それ以外は前向きに返信。
- 副産物:カジュアル面談で市場感が掴める(経験値が貯まる)。
「40代の棚卸し」は文字数が伸びます。むしろ濃い経歴を丁寧に見える化するのがコツです。貴方の職務経歴書を見たどの企業があなたのどのスキルに興味を持つかはわかりません。詰め込めばいいものではないですが、正確に・丁寧に・簡潔にをモットーに仕上げてください。
そして、その職務経歴書は転職後も役に立ちます。実際に転職後も15件以上の連絡が来ており、それは今も続いています。ビズリーチは転職後、職務経歴書を書き換えて転職先から見れないようにして残しておくと継続して見てもらえます。そうしておくと転職先でうまく行かなくなったとしても、また次のキャリアへ繋げられる可能性が出てきます。
ビズリーチは転職後、登録解除せずに残しておくと転職以降も見てもらえる
▶44歳で初めての転職活動で一番お世話になったビズリーチの登録から活用までを詳しく解説!
▶ビズリーチのスカウトは「企業のダイレクトスカウト」と「ヘッドハンター経由」──どちらを優先すべきか
複数の転職エージェントを“戦略的”に併用する
私は以下に登録・活用しました(登録タイミングは段階的)。
- ◎リクルートエージェント/◎Dodaエージェント/◎ビズリーチ
- ◎JACリクルートメント/◎エンワールドジャパン
- Doda(求人検索)/リクナビNEXT/ambi/ミイダス/ミドルの転職/転職会議/リクルートダイレクトスカウト
なお、OpenWork(企業口コミ)は意思決定に大いに役立ちました。口コミは万能ではありませんが、ネガティブ情報の早期察知や現場温度感の把握に大変有効です。
▼「OpenWork」の使い方とメリット|口コミで失敗しない企業研究を
職務経歴書はビズリーチで入力した職務経歴をベースに、それぞれのエージェントサイトにあわせてカスタマイズ、Wordで同内容を作成しなおし、そちらをアップロードして登録しました。
一気に登録を進めたわけではなく、実際は徐々に増えていきました。20代の転職に強い会社もあり、必ずしも40代の転職には合うわけではなかったのですが、特に「◎」のついたところにお世話になりました。
またビズリーチ経由や他の転職サイトから接触してくるヘッドハンターもありました。
JACリクルートメントやエンワールドジャパンは転職サイト経由で知り合い、その後の転職活動において大変お世話になりました。
↓私の特にお世話になった転職エージェント↓
▶【体験談】ハイクラス転職の代名詞とも言えるJACリクルートメントを使って転職に成功したさ▶40代営業職の転職には“外資・グローバル”も視野に|エンワールド・ジャパン活用ガイド
▶【体験談】40代でDodaを使って分かった本当の価値|25社応募・面接1回でも得られた学びとおすすめポイント3選
カジュアル面談の注意点
登録後、転職エージェントから連絡があり、まずはカジュアル面談を実施します。その時に希望や転職理由などをざっくばらんに話をします。またビズリーチ経由でヘッドハンターからカジュアル面談を求められるケースもあります。ビズリーチ経由は特定求人の打診です。
ここで注意点ですが、特にビズリーチ経由の場合、案件に興味がなければ断ってOKですが、「応募するなら早めに意思表示」が鉄則です。できれば、メッセージが来た当日中に、遅くとも翌日には意思表示をしてください。返事が遅いとその後の返信が来なくなったりすることもあります。特に非公開求人は回転が速いことも。
求人選定:数百件を見続けて見えてくる“癖”
日々届く求人は大量です。見続けると、「これは20代向け」「同一案件が複数のエージェントに掲載」などの癖が見えてきます。
私が持った判断軸は次の通り。
- 優先順位の明確化:勤務地 > 年収 > 業界 (私の場合)
- 求人票の深読み:年齢レンジ、必須スキル、成果の期待値
- 即戦力度:オンボーディング想定や顧客カバレッジの有無
この段階で40代が「避けるべき求人のサイン」も感覚的に掴めてきます。
最初は広く、徐々に自分に合う土俵へピントを合わせるのが効率的でした。
応募のリアル:通過率は“10%前後”という現実
応募は最終的に約50社。書類通過率は10%でした(一般に40代は13〜15%程度とあるエージェント営業に言われました)。
ここで大切なのは、母数を確保しつつ、面接の練習機会を作ること。
本命を最初の面接にしないためにも、適度に打席に立つのがポイントです。
- 応募:50社
- 一次面接:5社(オンラインが中心)
- 二次面接:2社(対面、どちらも最終)
- 内定:1社(同業他社の営業職)
職務経歴書はエージェント担当者が添削をしてくれたのが助かりました。
(私はDodaの担当さんに依頼しました)
ヘッドハンター活用:非公開求人と対策の質
ビズリーチ経由のヘッドハンター/企業担当からの面談提案は基本オンラインもしくは電話です。
非公開求人の提示や、オファーのあった企業を聞き、まさに「すごいな!ビズリーチ!」の瞬間が何度かありました。
ヘッドハンターの連絡はコストが発生する=見込みありのサインでもあり、雑打ちは少ない印象でした。
注意が必要なのはビズリーチから直接採用企業からオファーがあった場合です。経験上、直接の場合は年収レンジが下がる求人が多く、直接オファーはほとんど辞退していました。
▶ビズリーチのスカウトは「企業のダイレクトスカウト」と「ヘッドハンター経由」──どちらを優先すべきか
面接対策:質問想定と“答えの作り方”
面接対策は書類通過企業を紹介してくれた3社のエージェントが1時間前後のオンラインで個別支援。過去質問の傾向、狙っている回答の方向性など、企業別の傾向まで教えてもらえたケースも。準備した問いは定番中心です。
- 自己紹介(要約版・詳細版)
- 転職理由(なぜ今なのかを論理立てて)
- 志望動機(“選ぶ理由”と“選ばれる理由”を接続)
- 強み・弱み(弱み→対策→改善例まで)
- 入社後の貢献(具体的にどんな行動ができるか)
加えて私は、想定問答を文章化→音読→微修正をルーチン化。
これだけで言い淀みと冗長さがかなり減ります。自己分析の精度も上がりました。
可能な方は本命でない企業での面接を経験し場慣れすることをお勧めします。私は残念ながら5社しか面接できなかったので実際の面接で対策をすることはできなかったのですが、場慣れできれば、本命の面接時に困るケースはほとんどなくなるはずです。
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▶【40代転職の面接対策】必ず聞かれる3つの質問と回答テンプレート
並行進行のマネジメント:営業職の腕の見せどころ
書類応募、面談、面接、ヘッドハンターとのやり取りが重なると情報が錯綜します。
私はスプレッドシートに「企業名/選考段階/担当者/次アクション/期限」を一覧化。
現職業務の予定とのバッティングを避けるため、夜20〜21時台の調整も多用しました。
日程調整の落とし穴:間延びは“機会損失”
出張が重なり、一次通過後の最終面接まで3週間空いてしまったケースがありました。
企業側が候補者全員を面接して判断する方針で機会はいただけたものの、進行が早い候補者に先行される可能性も現実的。候補日を複数まとめて先出しし、間延びを避ける工夫が必須です。
適性検査(SPI・Webテストなど)の備え
久々の筆記対策は通勤時間と終業後の時間を使って問題集で慣らしました。
特に非言語分野(計算)はウォーミングアップ必須。
直前詰め込みより、薄く長く触れる方が本番の体感難易度が下がります。
適性検査は2度ほど受けましたが、今はWEBで受けられるので私は子供の就寝後に受験しました。
結果と内省:数字の裏にあるもの
最終的に内定は同業他社の営業職。
年収は約30万円アップと、派手さはない一方で、再現性のある前進を感じました。
40代転職は「ジャンプ」も大事ですが、「着地」の質も大事です。
環境・人・裁量・市場の総合点で納得ができるか、を基準にしました。
メール洪水という“唯一のデメリット”とどう向き合うか
実感として最もしんどかったのはメールの多さ。毎日、50~100通の求人案内が届くようになります。最初の内は全部に目を通しますが、段々できなくなります。最終的にはメールの見出しで気になるものはチェック、それ以外は見ないようにして、エージェント担当者からのメール(合否連絡・面接日程など)だけは見落とさないように気を付けました。
可能な方はGmailなどでフィルタとラベルを作り、重要度ルール(例:面接日程系は最優先)を設定すれば特に重要なメールの見落としはなくなると思います。
エージェントも担当者からのメールと求人案内用メールのアドレス分けているケースがあり、その場合は問題なかったのですが、たまに担当者のアドレスで求人案内が来ていたのでタイトルまでちゃんと見ないと見間違うケースが発生するので注意が必要です。
40代での初めての転職を成功させる7つの戦術
- 行動の先行投資:まず登録・まず面談。情報が意思決定を鍛える。
- 数字で語る職務経歴:成果・規模・改善を数値化。
- 面接は打席数が質を作る:本命前に練習試合を作る。
- 市場の目を借りる:ヘッドハンター・担当営業の“ナマ情報”を活用。
- 日程の主導権:候補日を先出しし、間延びを防ぐ。
- 情報整理の仕組み化:スプレッドシートとメール運用。
- メンタルの保全:書類落ちは前提。原因→対策→次のループで淡々と。
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▶転職活動の始め方|転職活動を始める前にやるべき5つの準備
よくある質問(Q&A)
Q. どのくらい準備すればスカウトは来ますか?
A. 私は経歴を約3,000文字で丁寧に記載し、徐々に21社からコンタクトがありました。密度と具体性が鍵です。 (WordでA4サイズ4枚分ほどです)
40代ならちゃんと職務経歴書を書けば、これぐらいの文字数になると思います。
Q. 面接はオンラインと対面の比率は?
A. 一次はオンライン中心、二次以降は対面が多い印象でした。
Q. どの指標で“成功”を判断しましたか?
A. 年収は微増でも、環境・裁量・市場が前進。40代は総合満足度で判断するのが現実的でした。
まとめ|40代でも初めての転職は十分に「間に合う」
40代の初転職は、戦略×準備×継続で勝率を底上げできます。
半年というスパンは長くも短くも感じますが、一歩踏み出した日から時計は前に進む。
この記事のプロセスとコツが、あなたの最初の一歩と次の一歩を後押しできれば幸いです。
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