
40代での転職は、若い世代とはまったく違う戦略が必要です。私自身も、20年以上勤めた会社を辞め、44歳で初めて転職しました。年齢的な不安や家庭の責任を抱えながらも、準備と戦略次第で転職は成功させられます。この記事では、実体験をもとに、40代が成功するための「完全ロードマップ」をステップ形式で詳しく紹介します。特に考え方に重点を置いています。
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44歳で年収アップ!40代で初めて転職を実現した筆者が実践した行動一覧
こちらは”行動”に重点を置いた内容です。
序章|40代の転職活動は「戦略と準備」がすべて
40代の転職では、勢いだけでは通用しません。企業は即戦力とマネジメント力を重視し、「この人に任せられるか」を見ています。だからこそ、まずは“戦略的に準備する力”が求められるのです。
30代までの転職との違い
30代まではポテンシャルや成長性が評価されますが、40代では「再現性のある成果」と「安定した人間関係構築力」が求められます。転職理由が曖昧だったり、「とにかく環境を変えたい」では採用は難しいのが現実です。
過去の実績を職務経歴書に書き、応募企業で未来にどう実践できるかをイメージする
成功する人・失敗する人の違い
成功する人は「冷静な分析と情報収集」を徹底しています。一方で、失敗する人は感情的に動き、準備不足のまま応募を始めてしまう傾向があります。転職活動はノーリスクである理由の記事でも触れましたが、転職活動は“行動しながら考える”ことができる貴重なチャンスです。
STEP0|事前準備
転職活動を始める前に登録などで必要になるご自身の履歴書を書くための写真や転職エージェントとやり取りをするためのメールアドレスの取得などが必要です。
詳しくは転職活動の始め方|転職活動を始める前にやるべき5つの準備をご確認ください。
意外と忘れがちな最初の準備を怠らずに進めましょう
STEP1|現状を客観的に整理する
転職を思い立ったら、最初にすべきは「自己分析」よりも「現状の整理」です。なぜ転職したいのか、どんな不満を感じているのかを明確にしないと、同じ後悔を繰り返します。
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▶人が「転職しよう」と決める時──きっかけと私のリアルな体験談
転職理由を明確にする
「上司と合わない」「給与が上がらない」といった理由も正直でいいのですが、それをどうポジティブに転換するかが大切です。転職理由を「キャリアの軸」で語れるようにしましょう。
◎正直な理由
- 給与が上がらない
- これ以上、昇進が見込めない
- 人間関係に不満がある
- 上司との関係がうまく行っていない
- トップのワンマンに嫌気がさした
◎考えるべき理由
- 自分のキャリアをもっと伸ばしていきたい … 私が使った理由です
- もっと営業に集中できる環境に身を置きたい … 私が使った理由です
- 自分の得意分野をもっと生かせる環境へ行きたい
本音と建前ではないですが、本音の部分は採用企業側からすると聞かずとも「どれかはあるよね」と思っています。何の不満もない会社を辞めるというのは考えにくいので当然と言えば当然です。それを敢えて言ってしまう必要はなく、やはり応募した企業で働きたいという部分につながることが大事です。
スキル・実績を棚卸しする
営業職なら、過去の売上・担当顧客・取引業種などを具体的に書き出します。自分がどんな成果を出してきたかを“数字”で示せると強いです。
▶40代営業職の転職におけるキャリア設計と自分の棚卸し
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転職しない選択肢も検討する
実は、転職活動を進める中で「今の会社でもう少し頑張ろう」と思う人も多いです。40代で辞める決心をする前に読むべき記事も参考になると思います。
最終的に転職するかどうかを決めるのはあなたです。でも転職をしない選択肢は常に持っておいて良いと思います。辞めようと決めてしまえば、会社に対して言いたいことも言えるかもしれません。そしてその結果、現職にとどまって自分にとって良い判断がなされるかもしれません。
40代で初めての転職活動、大事なのは「行動力」だと思いますが、20年以上勤めた会社でもっと前向きになれる話があるなら、そちらを優先しても良いと思います。転職活動はいつでもできますから。
STEP2|市場価値を把握する
40代の転職で失敗する多くの人が、「市場価値」を誤解しています。自分をどう見せるかではなく、「市場が自分をどう評価しているか」を知ることが重要です。
ビズリーチ・ミドルの転職でスカウトを確認
ビズリーチに登録すると、想像以上にスカウトが届くことがあります。これは“あなたの価値が可視化される瞬間”です。ビズリーチ登録から活用まで詳しく解説の記事で詳しく紹介しています。
ミドルの転職も40代で転職活動をされる方にはお勧めの転職サイトです。こちらも職務経歴書を登録することでビズリーチの様にヘッドハンターからオファーが来るようになります。ビズリーチと違い審査がないため登録後すぐにオファーが来るかもしれません。
年収相場・求人動向を調べる
同職種・同業界の求人を比較し、どの程度の年収が現実的かを把握しておくと、自分の望む年収と現実的に可能な年収の比較ができます。必ずしもあなたの望む年収になるという訳ではありません。
転職エージェントに登録すれば、非公開求人にも触れることができ、より自分の望む年収の求人に出会えるかもしれません。
40代が採用されやすい業界・職種を見極める
食品・飲料・メーカーなど経験を活かせる業界は多いです。また、外資系営業職のように成果主義の環境では、年齢より実績で評価される傾向があります。
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STEP3|応募書類をブラッシュアップする
40代の書類選考は、20〜30代よりもシビアです。企業は「どんな実績を持ち、どう再現できるか」を見ています。
職務経歴書でアピールすべき実績とは
成果は「数字+エピソード」で伝えるのが効果的です。たとえば、「前年比120%の売上達成」「顧客満足度の改善」など、再現性がある内容を重視しましょう。
履歴書の書き方のポイント
志望動機は「御社で学びたい」ではなく、「御社の課題解決に貢献できる」といった視点に変えると印象が変わります。
あと、経歴詐称にならないために自身の学校の卒業年度や新入社員で入社した会社の入社年月など改めて確認をしていく必要があります。
40代ならではの自己アピール術
40代は“経験の引き出し”が最大の武器です。リーダー経験がなくても、後輩指導やチーム支援の実績をアピールできます。
- 特定の商品カテゴリーに精通している
- 特定の営業エリアや業界に精通している
- 業界のトップ企業との人脈を持っている
STEP4|転職エージェントを活用する
40代こそ、転職エージェントを賢く使うべきです。彼らは「市場のプロ」であり、非公開求人や交渉術を持っています。
40代に強い転職エージェントの選び方
JACリクルートメント、リクルートエージェント、Dodaなど、40代に強いエージェントを複数登録して比較するのがおすすめです。
担当者を味方につけるコツ
レスポンスの速さと正直な情報共有が信頼を築きます。希望条件は曖昧にせず、優先順位を明確に伝えましょう。相手も忙しいので、とりあえず話を聞くというスタンスでは思うような転職活動は難しいと思ってください。
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転職エージェントと転職サイトをうまく使い分けよう
能動的に応募したいならエージェント、受け身で市場を知りたいなら転職サイト(スカウト型)と使い分けましょう。私も実際に両方を活用し、転職活動を進めてきました。
- 転職エージェント
特に情報収集、多数の求人の確認、職務経歴書や面接対策に有利。
色々な求人を見比べて自分の描く理想の求人を探すのもアリです。
そうすることで貴方の転職先に望む「本音」を探し出せるかもしれません。
私もたくさんの求人を見ることで自分の理想とする求人を探すようになり、それが転職にあたって「譲れるポイント」と「妥協したくないポイント」を見出せるようになりました。
- 転職サイト
基本的にスカウト型なのでヘッドハンターとコネクションを持つことが出来る
多くの場合は1ヘッドハンターにつき、1案件が多いため私がオファーを頂いた人数だけでも20名は軽く超えています。いろいろなヘッドハンターがいるので、それも含めて勉強になりました。
STEP5|面接対策と内定獲得
40代の面接では、「なぜ今転職するのか」「どんな価値をもたらせるか」が核心です。準備を怠らなければ、必ずチャンスはあります。
40代面接でよく聞かれる質問
「なぜ今転職なのか」「どんな実績があるか」「どんな組織で働きたいか」など、想定問答を事前に準備しましょう。
私の聞かれた質問/予想した質問
- 自己紹介をしてください
- なぜ今転職をしようと思ったのか … 20年勤めた会社を辞めるので必ず聞かれました
- 志望動機 … なぜ他社ではなく、うちなのかという部分を明確に→企業研究
- あなたの強み
- あなたの弱み/それをどう克服してきたか
- 現職での成功事例
- 失敗事例/またそこから何を学んだか
- 入社したらどんな仕事をしていきたいか
- 今回応募したポジションや会社に対して質問はあるか
どの企業を受けるにしても、必ず対策をしておきたい質問です。
▶【40代転職の面接対策】必ず聞かれる3つの質問と回答テンプレート
「なぜ今転職なのか」への答え方
「現職への不満」ではなく、「これまでの経験を新しい環境で活かしたい」という“前向きな理由”を軸に答えます。
年収交渉・条件提示で注意すべき点
年収に関しては、最終面接や1次面接で希望を聞かれることがあります。その受け答えも割と重要であると考えています。私なりの見解は「現状維持以上を希望する」というニュアンスで伝えるようにしていました。
内定後に関しては転職エージェントに交渉をしてもらうのも一つです。あるエージェント担当は「貴方の年収交渉をするために私がいるのです」と心強い言葉を言ってくれました。
STEP6|内定後〜入社までの流れ
内定後も油断せず、円満退職とスムーズな引き継ぎが次のスタートを左右します。
退職交渉をスムーズに進める方法
退職の意思は直属上司に最初に伝えましょう。時期や業務引き継ぎを考慮して話すとトラブルを防げます。基本的に「退職届」ではなく、「退職願」で出しましょう。
退職届は、法的強制力を持つので「一方的に労働契約の解除」をする意思表示になります。
退職願はあくまでも「お伺い」なので合意の上で退職するという意味合いになります。
会社によるでしょうが、私の場合は約1週間ほどで会社より承認が下りました。ここで「引き留め」にあうようなら「退職届」に切り替えても良いかもしれません。
引き継ぎ・有給消化・入社準備のスケジュール
退職から入社までの1〜2か月は「体調を整える期間」とも考えられます。家族との時間も大切にし、新しい環境へ備えましょう。入社日は、内定承諾時に確認されますが、引継ぎ期間を含めて2か月の猶予をもらえると後々スムーズです。
私の場合は、2か月の猶予をもらい1か月半で引継ぎを終えて、残り2週間は有休消化に充てました。20年以上勤めて初めて2週間の休みをいただきリフレッシュできました。この期間は体調だけでなく心を整えるという意味でも大切だと思います。
まとめ|40代の転職を成功させる3つの心得
焦らない・比べない・準備を怠らない
40代の転職は「短距離走」ではなく「マラソン」です。焦っても結果は出ません。他人と比べず、自分のペースで着実に準備を進めましょう。
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この記事があなたの転職ロードマップとなり、新しい人生の一歩を後押しできれば幸いです。
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